mとnはともに3以上の整数で,mはnより大きいとします。横m個,たてn個のm×n個のマスに,左上から時計回りの渦巻状に,1からm×nまでの整数を順に書いていきます。このように作られる表を表[m,n]と表すことにします。
例えば,表[4,3]は次のようになります。
また,表[m,n]の左からα個目,上からb個目のマスに書かれた数を(α,b)と表すことにします。
例えば,表[4,3]における(2,3)は8です。
(1)表[8,7]における(4,3)を求めなさい。
(2)(2,2)が27となる表[m,n]は何通りありますか。
(3)ある表[m,n]における(1,1),(2,2),(3,3),(4,4)は順に,1,31,53,65でした。このとき,mとnの値を求めなさい。
(1)外側から順に,第1層(網目部),第2層(斜線部),第3層,・・・とよぶことにします。
(4,3)は,第3層の2番目です。
第1層 ……(8+7)×2−4=26(個)
第2層 ……(6+5)×2−4=18(個)
よって,26+18+2=46
(2)(2,2)は第2層のはじめの数なので,第1層には 27−1=26(個)の数が並びます。
(m+n)×2−4=26より,
m+n=(26+4)÷2=15
m,nは3以上でmはnより大きいので,
(m,n)=(12,3),(11,4),(10,5),(9,6),(8,7)
の5通りです。
(3)(2,2)が31なので,(2)と同様に
m+n=(31−1+4)÷2=17
m×nが65以上であることとあわせて,
(m,n)=(11,6),(10,7),(9,8)
のいずれかです。この3通りを調べると,
m=11,n=6のみ条件に合います(他の2通りについては,(4,4)が67となります)。
中学への算数
東京出版刊行
解き方のイメージを育て、思考力を鍛える!
詳しくはこちらから!
●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
できた問題についてはそれだけで満足せず、できなかった友達が「なるほど」と納得する説明を君ができるかどうかを自問自答してください。
できない問題があっても嘆きは無用です。中学入試の算数の出題の背景には、多くの先人たちの英知が結集しているのです。「なるほど、それならできないこともあるな」とリラックスして、先人に敬意を表しつつ“名画を鑑賞”する気分で、その筆遣いを少しでも取り入れられるかを楽しみながら検討することが君の財産となるでしょう。
海城は“好奇心と粘り”をもった皆さんに応える数学を展開します。君の入学を待っています。