図1のような1辺の長さが8cmの正方形ABCDがあり,辺AB,CDの真ん中の点をそれぞれE,Fとします。また,EF,BCにはそれぞれ2cmの間隔で目盛りがあります。
点PはEF上をEからFに向かって,点QはBC上をCからBに向かって動きます。また,袋Pと袋Qがあり,それぞれの中に,0,1,2,3,4のカードが入っています。袋Pと袋Qからカードを1枚ずつ引き,点Pは袋Pから引いたカードに書かれている数の目盛りだけ,点Qは袋Qから引いたカードに書かれている数の目盛りだけ,それぞれ動きます。ただし,0を引いたときは動きません。
例えば,袋Pから2,袋Qから3を引くと,点PはEから4cm,点QはCから6cmの所に動きます。また,このときのカードの出方を(2,3)と表します。
三角形APQについて考えます。次の問いに答えなさい。
(1)カードの出方が(3,2)のとき,三角形APQの面積は何cm2ですか。
(2)3点A,P,Qを結んで三角形をつくることができないとき,カードの出方は3通りあります。すべて答えなさい。
(3)三角形APQの面積が最も大きくなるときのカードの出方を答えなさい。
AQとEFの交わる点をRとすると,三角形APQの面積は,
PR×AB÷2=PR×8÷2=PR×4(cm2)
と求められます。
(1)
図のようになり,三角形AERとABQの相似から,
ER=(8−4)÷2=2(cm)
となります。
PR=6−2=4(cm)
より,三角形APQの面積は
4×4=16(cm2)
(2)
A,P,Qが一直線上に並ぶ場合です。図のような3つの場合で,
(0,4),(1,2),(2,0)
(3)PRの長さが最大になるときです。
PRの長さがEFの長さと等しくなるときがあればそのとき最大ですが,PがFに,QがB(RがE)に動くときに起こります。
答えは,(4,4)
中学への算数
東京出版刊行
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●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
中学では基礎的な計算力を身に付けられるように、計算力診断テストを繰り返し実施し、図形の証明などで発想力・表現力を磨いています。中3からは高校の内容を先取りし、各単元を通じて思考力も養っていきます。
様々な角度から条件を眺め、上手に組み合わせることによって問題を解きほぐしていく。数学の問題を解きながら、論理的思考を身に付けて欲しいと考えています。